経歴

院長 服部直樹

服部 直樹– HATTORI NAOKI –

  • 順天堂大学スポーツ健康科学部 卒
    (中学校・高等学校保健体育一種免許取得)
  • 名古屋鍼灸専門学校 卒
  • 鍼灸師・あんま指圧マッサージ師免許取得(厚生労働大臣認定)
  • 英国 Institute of Traditional Herbal Medicine and Aromatherapy(ITHMA)卒
  • European Rolfing Association 修了、Rolf Institute 公認Rolfer

大学在学中、重度の腰椎椎間板ヘルニアを患い、回復に向け様々な治療を受ける中、鍼灸師になることを決意する。大学はスポーツ科学科を卒業後、さらに鍼灸学校に進み、師に付き働きながら勉強を続ける中で、異なる文化・環境の下で施術をしてみたいと思うようになり、イギリスに渡り2年間鍼灸師として働く。そこでロルフィング®に出会い、ドイツはミュンヘンで集中トレーニングを受け、公式ロルファーとして認定を受ける。帰国後は広尾の広済鍼灸院に勤務し、これまで培った鍼灸とロルフィング®を融合した治療スタイルを確立する。2016年4月、新宿駅南口にNAOKI HATTORI 鍼灸×ロルフィング®を開業する。

鍼灸の道に進んだきっかけ

「どうして鍼灸の道に進んだの?」
よく聞かれる質問です。
それは、私自身が重度の腰部椎間板ヘルニア患者として悩み苦しんだという過去があるからです。

私は幼少期から生粋の野球少年でした。
私の叔父が日米野球にも出場したようなプロ野球選手だったということもあり、無意識に感じていた期待もあってか、自分の身体特性の限界を越えてチャレンジしてしまっていたのでしょう。

中学生の頃にはすでに持病となっていた腰痛をかばいながら、大学にて更に野球を続けていた矢先のことです。
痛みやしびれで全く動けなくなってしまったのです。日常生活もままなりませんでした。
長く辛いリハビリ生活の幕開けでした。
いつ終わりが見えるのかも分からないリハビリの期間。光のないトンネルを歩いているような不安と失意に交互に襲われる毎日。

そんな中、あるリハビリの先生との出会いがありました。それは、まさに暗夜に灯を見た瞬間でした。
光を見たあの瞬間は今でも忘れることができません。
そしてそれは、「これが私の仕事になる」と思った瞬間でもありました。

治療方法の確立過程

「なぜこんなにしびれや違和感に悩まされるのだろう?」
「痛みやしびれの原因は一体何なのだろう?」
高校生の時、すでに重い坐骨神経痛により、立って授業を受けながら自問自答していた内容です。

来る日も来る日も悩まされることになった神経痛の症状があったからこそ、そしてそのような疑問が常に頭の中にあったからこそ、痛みやしびれに対しての効果的なアプローチを確立させる情熱が生まれたのだと思います。

それから、大学のスポーツ科学科での学び、その後の鍼灸学校での学び、そして多くの師から手取り足とり、背中を見ながら、研鑽を積んでゆくことになります。
その過程では、いつも、痛みやしびれの原因を知りたいという探究心が頭の片隅にありました。
その頃には自分自身の症状は改善していたのですが、本当の原因を知ることがない限り、神経痛を完治させたとは言えませんでした。

研鑽を積みながら数多くの患者様の治療に携わる年月の中で、徐々に疑問は明確な解に変わっていきました。
伝統的な東洋医学に加え、自分自身での様々な学びから応用を試み、まさに答えだ、と言えるような結果を導き出せるようになったのです。 
その考え方に基づき臨床を積み重ねていくと、それまでは改善を導くことが難しかった患者様に対しても、良好な効果を出すことができるようになりました。

悪夢のように悩み続けた高校生〜大学時代の私の「なぜ」、「どうして」に、今では、自分自身で答えられるようになっている私がいます。
今は、治療家として自身の提供する治療に確信を持っているだけでなく、一人でも多くの痛みに苦しんでいる患者様を救うため、後進の育成にも精を出していきたいと思い始めています。

ロルフィングとの出会い

ロルフィング®とは、私がロンドンで鍼灸師として働いている時に出会いました。
鍼灸を突き詰めていく日々の中で、どうしても「姿勢」というものに行き当たります。一時は鍼灸で良くなる痛みも、またしばらくすると再発する患者様が少なくないからです。

その原因には、なかなか生活スタイルを変えられないという要因もあるのでしょうが、その方の持つ姿勢が深く関わっているという事実は疑いようがなく、悶々としたことを覚えています。
東洋医学でのアプローチで体質を改善し、その先に姿勢の改善がある、ということも考えられますが、果てしなく遠い道のりにも思え、逆からのアプローチ、つまり姿勢からのアプローチと東洋医学のアプローチを併用すれば、より早く改善が見込めるのではないかと考えたのです。

その矢先、筋膜を主軸として考えるアナトミートレインというものの存在を知り、そしてロルフィング®に辿り着きました。
百聞は一見にしかず、すぐに私自身がロルフィング®10セッションを受けました。すると、それまで貧弱だった私の上半身が、服のサイズが変わるほどに変化したのです。

薄い胸板、華奢な肩、どうみても男性的とは言えなかった私の上半身ですが、10セッションが終わる頃には、胸板が厚くなり、肩幅も広がったのです。
その時の施術者は、後に私のロルフィング®の先生の一人にもなるのですが、その先生は「身体の中のスペースは、外の世界を見る際にも影響を及ぼす」と言いました。
事実、それから私自身、人との向き合い方や考え方に変化が出たことを実感することになりました。

初めは、東洋医学を補完するような目的で考えていた「姿勢」というものですが、実際は、性格や考え方、またはその時の精神状態が如実に反映されている事実に気づいたのです。
いや、体癖の野口晴哉先生や様々な日本の伝統的な整体の考え方から、理論として知ってはいたのですが、実際に自分の身体が変化し、自分の内面的なものが変化した時、初めて実感として「知った」のです。