【鍼灸×ロルフィング®】フランスでスポーツ鍼灸の講習会をやってきた話

 

sport workshop

前回ご紹介した、フランスで開催した美容鍼灸の講習会に続き、同じくフランスでは「スポーツと痛みの鍼灸」の講習会も開催しましたのでご紹介します。

 

そもそも、鍼灸×ロルフィング®って?

うさくん
先生、こんにちは。
今日も以前から聞こうと思っていたことを、ズバズバ聞いちゃいます。
 
服部
うさくん、前回から始まったこのシリーズ、結構好評だよね。
患者さんからも良い反響をもらってるんだよ。
 
うさくん
 先生の文章、読みづらかったからね〜
それでは早速質問。鍼灸×ロルフィングって、それぞれ別々の体系だよね。
どうやって融合させてやっているの?

服部
経絡のラインと筋膜のラインは89%の割合で一致していると言われているんだ。
その繋がりを探るのが興味深くて、いろいろと探求したんだよ。
15年くらい施術しているから、その経験の中で最適な組み合わせを見つけてやっているんだ。

うさくん
もう少し具体的に教えてよ。
服部
例えばスポーツに関して動きを見るなら、ロルフィングの観点を軸に、痛みに対しては鍼灸の観点を軸に、というように、それぞれ違った角度からみることができるんだ。

うさくん
なるほどね〜。
そういえば先生、そもそもロルフィングにはどうやって出会ったの?

服部
ロンドンに住んでいた時にたまたま本屋さんでアナトミートレイン(筋膜ライン)のポスターをみかけたことが始まりなんだ。
経絡のラインと似ているなぁと思って、そこから学び始めたんだよ。

 

鍼灸×ロルフィング®って、効果的なの?

うさくん
それでは、先生に聞きたかった質問をストレートに聞いちゃいます。
鍼灸×ロルフィングっていうけど、ちゃんと効果はあるの?
 
服部
ストレートに聞くね。効果がないとやらないよ。
鍼灸治療にロルフィングを融合させるようになってから、アスリートやスポーツ愛好家の方々に対しても、すごく効果的な施術ができるようになったんだ。
特に姿勢や動きについてより詳しくアプローチできるようになったことで、これまで行ってきた鍼灸治療との相乗効果をすごく感じているよ。

うさくん
もう少し詳しく聞きたいな。
服部
つまり、痛みの真の原因を、動きの中に見出せることができるようになったということかな。
ロルフィングを学ぶ前は、アスリートの”痛み”を取ることはできたとしても、なぜその痛みが生じてしまうのかがよく分からなかったんだ。
ロルフィングによる筋膜へのアプローチと身体の使い方を学ぶことで、なぜ痛みが生じるかの原因がわかって、根本の原因にアプローチできるようになったんだよ。

うさくん
なるほど〜そういうことか!
服部
そして、自分の中でも鍼灸×ロルフィングという一つのメソッドとして、かなり体系化されてきたから最近では少しづつ教えることも始めてるんだよ。

 

フランスのスポーツ鍼灸講習会でいただいた感想

スポーツ鍼灸の講習会でも素晴らしい感想をいただいたのでご紹介します。
以下、受講されたアクラムさんからの感想です。

I had the privilege of attending a workshop on Japanese acupuncture with Hattori Sensei. It was definitely a step forward in my acupuncture journey. Hattori Sensei is a generous and passionate teacher that gladly shares his knowledge and skills with his students through his practice-oriented approach. Covering the basics such as pulse taking, needling techniques and hara diagnosis through hands-on learning, this workshop will also give insight about Hattori Sensei acupuncture and rolfing combination method and his advanced Ki sensation awaress. This is exactly what I needed to further improve my clinical skills as a practitioner.

服部先生が開催した日本鍼灸の講習会に参加する機会を得られ大変光栄に思っています。鍼灸師としてのレベルアップに貢献する素晴らしい講習会でした。
服部先生はこれまでの臨床の数々の中で得られた知識や経験を惜しみなく伝えてくださり、とても熱心に指導してくださいました。
基礎を再構築するために重要な脈診や腹診、そして、鍼の打ち方を手とり足取り丁寧に教えてくださいました。また、ロルフィングと融合させた服部先生独自のメソッドを学び、それは応用編とも言えるような、気を敏感に感じながら行うセッションであり、大いに勉強になりました。
今回は私の臨床技術のさらなる向上のための、最適な講習会を開催してくださり、誠にありがとうございました。

 

acupuncture workshop.1

acupuncture workshop.2
脈診、腹診を実習しているアクラムさん

うさくん
アクラムさんの感想から、東洋医学とロルフィングを融合させた今回の講習会がとても良い学びの機会になったことが伝わってくるね。
 
服部
アクラムさんは中国鍼灸や台湾の先生の理論を元に施術をしているんだ。
今後は日本鍼灸やロルフィングのメソッドも取り入れてもらえると、より効果的な施術が可能になると思うよ。
日本鍼灸の普及のために、そしてより良い施術を提供したいと思っている方々にお伝えできるように、今後も海外での教育活動を継続していこうと思ってるんだ。
 

まとめ

初めは、自分の興味の赴くままに学び始めたロルフィングですが、鍼灸とロルフィングの相性は本当にバツグンで、施術の幅を大幅に広げてくれました。

鍼灸では痛みを、ロルフィングでは動きを中心に診ることにより、原因と結果に対して速やかにアプローチできるようになったのです。

現在では、トライアスリート、ウルトラマラソン、ヨギー、クライマー、テニスプレーヤーなど、数多くのアスリートにお越しいただいています。

とはいうものの、スポーツ家でなくとも、ご自身のカラダに興味がある、今より良い状態になりたい、という動機だけでも十分です。

特に体を動かすようなことを行っていないけれど一度診て欲しい、という方も大歓迎です。