ロンドン、ミュンヘンで感じたこと

Tube in London
photo : the tube : license

雑さの魅力、ロンドン

飛行機を降りた時、その国の湿度や匂いを感じて異国に降り立ったのだなと認識することがありますが、私にとってロンドンに来たと感じる瞬間は、地下鉄などである種の雑さを感じる時です。
街もどちらかといえば汚い、サービスも良くはない、天気も悪い。
ただ、独特のイントネーションで話される英語や皮肉っぽさ、多様な人種などが適度に混ざり合い、独自の格好よさを醸し出しています。
日本の過剰なほどのサービスに慣れてしまっていたところに久しぶりに独特の雑さを感じ、なんとも嬉しくなりました。

今回はクラウチエンドというエリアの知り合いの家に滞在しました。
クラウチエンドは丘陵部にありその中でもさらに小高くなっている坂の中腹にありました。
どこの国を訪れてもそうなのですが、エリアからエリアへ移動するとその土地の風水的な気の流れを感じます。
一般的に土地の高いところの方がクリーンなエネルギーを感じ易いという共通点があるように思います。
滞在場所はロンドン中心部よりも50m程高いところにあったので、とても澄んだ空気を感じながら生活することができました。
またこのエリアはZone 3 という地域区分に当たり中心部からは少し離れているため、クリスマスの木々やリースを買い求める人々、休日に公園を散歩する人々など、地元の人の日常を感じながらの生活を楽しむことができました。
ロンドンでは、ミュンヘンでのトレーニング前にメンターとのセッションが数回必要であり、そのセッションと、久しぶりに会う友人と過ごす時間とであっという間に時間が過ぎました。

 

素朴で落ち着いた街、ミュンヘン

Isar river in Munich
photo : ISAR : license

130万人都市のミュンヘンは、訪れる毎にとても素朴な印象を受けます。
季節の移り変わりを身近に感じ易く、中心部を流れるイザール川では、夏は川沿いでバーベキューをしたり川で泳いだりと(中には裸で泳ぐ人もいます)、ミュンヘンの人々は思い思いに自分たちの時間を楽しんでいます。
130万人都市というと日本では京都市の人口と同じくらいの規模になります。
ミュンヘンでは、夜8時頃にはほとんどの店が閉まること、また日曜日には中心部の観光地を含めたほとんどの店が休業しているため、とても静かな感覚を街自体に感じます。
周囲の環境が人間に与える影響として、1,300万都市の東京などで夜遅くまで様々な店が営業しているような環境では、交感神経系の活動が活発になり、脳にもノイズがたくさん発生するように感じます。
一方、130万人位の規模の人口を有しながらも、夜や日曜日には街が休息を取っているかのように静まるのは、人間にとって副交感神経系を確実に優位にするという影響がありそうです。
ロンドン→ミュンヘンという形での滞在だったのですが、渡欧前の日本での生活が忙しく慌ただしいものであったため、ロンドンではそれ程感じることができなかった神経系の休息感を、ミュンヘン滞在時においては強く感じることができました。

ないものねだりは人間の常であると思います。
休息だけだと飽きてしまう、ノイズだらけだと静寂を求めたくなる。
生活にはやはりコントラストが必要であり、活動と休息のバランスをいかにうまく取れているのかが大切であると改めて感じました。