東洋医学における「心」の整え方 ーストレスへの対処法ー
先日の私なりのスピリチュアルの観点のお話に引き続き、今回は「心」に関してをPart.1では東洋医学と絡めて、Part.2ではNLPと絡め、2回に分けてご紹介します。
東洋医学においての病因は?
さて、人間が病気になる原因、不定愁訴に悩み苦しむ原因はいったい何なのでしょうか?
東洋医学においては病や不調和の原因を、外因、内因、不内外因の3つだと考えています。
・外因とは、外部気候の影響。風暑湿燥寒火という六つの邪
・内因とは、怒喜思悲憂恐驚という七つの感情の偏り
・不内外因とは、外傷、暴飲暴食、喫煙、過労、環境汚染
このように、とてもシンプルに分類しています。
病の原因であるこれら3つの原因を現代社会に当てはめて考えた場合、怒喜思悲憂恐驚という七情の偏りによる不調和が圧倒的に多くを占めていると考えられます。
これら怒喜思悲憂恐驚という七情の偏りを私たちはよく「ストレス」という言葉で表現します。
東洋医学ではストレスをどのように捉えるのか?
東洋医学においては、外的ストレスに対する内側の反応の仕方として、シンプルに七つの感情に分類しました。
そして、生まれ持った体質により七情にも偏りが生じやすい、つまり、陥り易い感情の傾向があることを見出しました。
怒:イライラ、プンプン
喜:ヘラヘラ、ニヤニヤ
思:モヤモヤ
悲:メソメソ、シクシク
憂:ガッカリ
恐:ビクビク、オドオド
驚:ドキドキ、ハラハラ
似たような職場環境や家庭環境の下でもかなりのストレスを感じる人もいれば、それ程感じないという差異が生じるのは、このような生まれ持った体質や時々の体調に左右されるという訳です。
特に体調が悪い時は、体質の傾向が強調されてしまうため、精神や感情面にも、いつもより不調和をきたしやすくなります。
ストレスにどのように対処するのか?
持って生まれた体質や体調の不調和により生じる七情の乱れに対して、東洋医学はどのように対処しているのでしょうか?
それは、以下2つの対処方法にてアプローチします。
① 東洋医学的な体質や体調の把握により、感情が七つのどこに偏っているのかを明らかにする
② 経絡の詰まりを取ることにより、柔らかな心身を育む
東洋医学のモノサシを用い、自分自身の体質や現在の体調を見極める必要があります。
このことより自分が陥りやすい感情の傾向を意識的に把握できると、対処できる可能性は格段に高まります。
感情にラベルを付けることができる(認知できる)ようになるだけで、対象物として扱うことができるという訳です。
次に、経絡の詰まりをしっかりと流すことが大切です。
それは経絡とは心と身体の媒介となる一連のシステムであるからです。
この経絡をしっかりと流すことにより、精神や感情を包んでいる身体にも同時にアプローチできるということは、ストレス由来の不定愁訴を改善する大きなきっかけとなるのです。
鍼灸施術においては、適切な経穴を用いて気・血・水を流し、滞りのある経絡や臓腑の循環を改善することにより、結果として七情の詰まりを解消できるのです。
また、経絡を整えることとは心の器を柔らかく保つことでもあり、結果としてレジリエンス(ストレス耐性)を高めることにも繋がります。
まとめ
より良く生きるとは、アンバランスさの中にバランスを見出すことだと、東洋医学の先人達は伝えています。
それは心やストレスについても当てはまります。
・持って生まれた体質により感情の偏りがあるということを認識し、自分の傾向を把握する。
・経絡を整えることにより、レジリエンス(ストレス耐性)を高め、不定愁訴の改善につなげる。
体質にあった日頃の養生を心がけ、経絡の循環を良くしていくことにより、難しい環境においても柔軟性のある認知が行えるように、また精神的に辛い状況下でも建設的に考えることができるようになるのだと考えています。
東洋医学の観点よりご紹介した「心」の整え方を、次回Part.2では、NLPを切り口にした言葉と思考がどのように「心」に影響を与えているのかをご紹介します。