【腰痛の鍼灸治療】:トレイルランニングと腰痛、そしてセルフケア
前回は「あたま」と全身の筋膜連鎖、そして「舌」の使い方が重要な鍵を握っていることをご紹介しました。
今回は、どのようにこの連鎖を利用している施術に応用しているのか、そして日頃のセルフケアをお届けします。
事例紹介:トレイルランナーへの腰痛施術
先日お越しいただいたYさん。
これまではロードでの練習を中心に行ってこられていたのですが、将来的に100マイルに挑戦するべく、少しずつトレイルランを始めた矢先。
今までは、背中に何かを背負って走るという経験をされてこなかったため、2-3kgのザックを背負っての練習を始めたところ、腰痛に悩まされるようになり、ギックリ腰の寸前になっての来院でした。
座った状態で「手に一本、頭に二本」鍼をしました。
手と頭への鍼を行った後に、寝た状態で腰への施術も行い、その日の治療を締めくくりました。
その後の報告で、Yさんの腰痛は翌日には随分良くなったとのことでした。
Yさんは身体特性的にも100マイルを十分に完走できるポテンシャルをお持ちだと思っています。
今後の挑戦をしっかりとサポートさせていただきます!
鍼灸×ロルフィング®メソッド
頭皮に鍼を1-2本行うことにより痛みや可動域を改善するメソッドを「鍼灸×ロルフィング®メソッド」として確立しつつあります。
頭への鍼で全身の筋膜と経絡のバランスを整え、足への鍼で脳と筋膜のバランスを調整します。
鍼灸×ロルフィングメソッドの強みとは、筋膜の連鎖と経絡の流れを同時に調整できることだと言えます。
特に、腰痛には効果テキメン。
他にも首や肩などの体幹部の症状にも、高い効果性を発揮しています。
これまで、なかなか腰痛が取れなかった方にも効果を発揮していますので、ぜひ一度お試しいただければと思います。
セルフケア
今回は「あたま」のケアを最後にご紹介したいと思います。
- げんこつでマッサージ
頭全体をげんこつでゴリゴリマッサージします。(1〜2分続けてみましょう!)
- ぼんのくぼを揉む
できるだけ頭や首の力を抜いて行います。(1〜2分続けてみましょう!)
- Before/Afterのチェック
後頭部をげんこつでゴリゴリ+ぼんのくぼのマッサージは前屈が深まり、側頭部をげんこつでゴリゴリすると側屈が深まるのを体感出来る方もいらっしゃるでしょう。
前屈や側屈が深まることとは、そのまま下肢の筋膜の柔軟性を高めることに繋がります。
前屈の深まりはハムストリングやふくらはぎや足底筋膜への作用、側屈の深まりは長脛靭帯や腓骨筋の筋膜への作用を意味しています。
準備運動にも適しているので、走り始める前に行うものも良いでしょう。
「ランニングと腰痛:ランナーならだれでも知っておきたい【脚以外】のこと」
まとめ
Yさんのように、マラソンから100マイルへと挑戦される方のサポートをさせて頂く機会が増えてきました。
これまでのランナーの方の施術から考察すると、超長距離ランに体が適応してくるまでは、最低1年位の準備期間が必要な様です。
適応過程では、様々な痛みや不具合が生じるものです。
その痛みや不具合をケアせずに放置しておくと、今後のランニング人生に関わってくるような慢性症状に移行してしまうこともあります。
不具合や違和感を感じたら、早目に相談してください!お待ちしています。
「キャロル・フークスさん : トライアスリート/トレイルランナー/登山家」