診る、見る、観る。みえないものを感じ取るとは Part.2
前回ご紹介した、可視外領域と可聴外領域に関する「目には見えな いけれど、実在する世界の感覚」。
この感覚を説明すると、今の世の中では「スピリチュアル」 といった領域に括られがちです。
スピリチュアル、というと、拒否反応を持ったり毛嫌いされたりする方も多いのではないでしょうか。
また逆に、全てがスピリチュアル一辺倒になってしまっている方もいらっしゃると思います。
そうなってしまう前に、少し心を開いて聞いていただければ幸いです。
症例報告
近頃、体調不良や忘れっぽさを以前にも増して自覚するようになり、頚から肩にかけてのコリ感、頭がスッキリとしない感覚がある 、と訴えられたAさん。
初回は頚部に対しては鍼灸にて直接的なアプローチを行い、顔や頭にも手技を加えました。
また、歩く際の身体の使い方に改善点を見 出し、足の親指の使い方を見直しました。
また、歩く際の身体の使い方に改善点を見
ここで、可視外領域と可聴外領域への感覚に意識を向けると、足の 裏から始まる腎経の流れが悪く、大地からの気の流れ(グラウンディングとも言われる、地に足がついているイメージ)を身体に循環させ られていないことと、下方から上方へ掛けてのエネルギー量が少な い上に、頚部にて流れが遮断されていること、脳へのエネルギーの 流入が少なくなっている感触を得られました。
そして、2回目の施術時において、幼少期の尾骨の打撲が原因で、 小さい頃から元々備わっていた直観力が失われてしまったことにご 自身で気付かれました。
尾骨を触ってみると偏位が触診でき、解剖学的なアライメントの 観点からも主要な原因になっていることは明らかでした。
そこで、可視外領域と可聴外領域への感覚に意識を向けていくと、 頚においての背骨の循環障害は、尾骨の変位が大元にあることが分 かり、尾骨からの気の流れがズレていました。
尾骨へのアプローチを開始すると、徐々にこれまでの滞りが解れ始 め、幼少期に失っていた自然と同調するような感 覚が蘇り始めたようでした。
施術後にも、当時は聞こえていた自然の音(可聴外の音)がぼんやりと聞こえ始めたともおっしゃってくださいました。
近頃ひどくなっていた、モヤモヤや悲観的な感情、頚の慢性的なコ リ感の真の原因は、尾骨にありました。
尾骨は解剖学的にも見ても、背骨のアンカーの役目を担っており、 尾骨の内側から背骨の前側を上行していく腎経の流れとも合致しま す。
スピリチュアルな観点での引き寄せとは一体何か?
ヨガや気功のみならず、多くの代替医療で言われているように、「背 骨」は見える世界(可視内)と見えない世界(可視外)の両者に影響 を与える鍵となります。
スピリチュアルの言葉を用いるならば、どれだ け「引き寄せたい」とアファメーションを行ったとしても、 引き寄せられない原因は背骨のどこかに原因があることが少なくあ りません。
「引き寄せる」ための自分の軸 の波長がずれてしまっているという表現が当てはまります。
背骨の歪みを整え、背骨を潰さないような使い方を再学 習することにより、引き寄せる体の土台が構築されるのです。
スピリチュアルと言われる観点に問題を見出しても、見出した問題の解 決策がその次元において得られない場合の多くは、他の観点からの アプローチが有効になります。
それは、体の機能構造からのアプローチが最も効果的に働くことが 経験的に多いと感じています。
表裏一体の真実
体の問題の真の原因が体にないことは、よくあることです。
心の問題の真の原因が心にないことも、よくあることです。
そして、スピリチュアルだと思っている問題の真の原因が、スピリチュアルでは解決しないことが多々あります。
人間はスピリチュアリティ(霊性)なしでは語れませんし、またスピリチュアリティだけでも存在できないのです。
人間はスピリチュアリティ(霊性)なしでは語れませんし、またスピリチュアリティだけでも存在できないのです。
上記は、時々クライアントの方を通じて感じるメッセージです。
なかなか改善が見られない慢性症状に悩んでいる時は、一度 原因の視点を変えてみる必要があります。
2回に渡りご紹介してきた観点を踏まえ、異なる視点からご自身を見 つめ直したい時の一助になりますと幸いです。