コリや痛みが改善しないのは「睡眠負債」が原因かもしれません。
今回は最近の症例をご紹介させていただきます。
頚椎症と診断されて
4ヶ月ほど前から、頚から肩にかけてのしびれに悩まされてきたSさん。
整形外科を受診し、頚椎症との診断を受けしばらくはリハビリに通うも、中々改善が見られなかったため、2ヶ月前から当院にお越しいただいていました。
当初の主訴は右側の首から肩にかけてのしびれ、時折右手指まで違和感を感じるとのことでした。
自覚している原因としては、半年くらい前から車の運転が増えたことにより、首への負担がかかったのかもしれないと考えておられました。
体を詳しく拝見してみると、舌が全体的に赤く、特に舌先に赤みが強く出ていました。
舌先の赤さは、身体上部に熱(気)の偏りがあることを示し、この場合も睡眠が十分に取れていない可能性を示唆します。
その旨を伺ってみると、車の運転が増え始めたころは特に仕事での心配がある時期であったため、不安感が常に頭から離れない時期でもあったようでした。
運転による頚への負担増大と身体上部への極端な熱の偏りがあったことが、頚椎神経根部の炎症に繋がったと考察しました。
東洋医学の観点より、身体上部にある過剰な熱を流すための手足への針を行い、頚椎症による神経の炎症を抑えるような針を行いました。
当院にて積極的に取り組んでいる頚椎症の施術ですが、頚椎症におけるしびれの症状改善が見られるまで3週間〜1ヶ月程のタイムラグを見ています。
これは神経の可塑性と呼ばれる体の仕組みに関係があり、このタイムラグがあるといのは、適切な施術を行えば大抵の頚椎神経根症は3週間〜1か月で改善するということを意味しています。
Sさんの場合も、これまで4回の施術約1ヶ月程にて、時折あった右手指の違和感はなくなり、頚から肩にかけてのしれびはほぼ改善されました。
また、日頃の養生として、睡眠を常にしっかりと取っていただくことと同時に、睡眠の質の改善にも配慮していただくため、寝る30分前のPCとスマートフォンを極力使わないように意識していただきました。
睡眠負債にご注意
「睡眠負債」という言葉が世間を賑わしているように、症状の発生にはストレスと睡眠が深く関わっています。
現代人にとって睡眠にまつわる問題は死活問題であり、統計によると人口の30%が不眠に悩まされているという報告もあるようです。
東洋医学においては、精神的ストレスによる睡眠の質の低下を「アタマの疲れ」と捉え、体を積極的に動かすことによる「カラダの疲れ」を生活に中に取り入れることにより、睡眠の改善を図ってきました。
症状に対する施術効果を最大限引き出すためにも、良質な睡眠は欠かせないからです。
睡眠領域、特に人間の眠りはまだまだ分かっていないことだらけ。
そして1つの因子で説明することが難しく、実際はあらゆる因子(ストレス、環境、遺伝子、生活習慣など)が関連しています。
当たり前の毎日の生活を見直すことは、そう簡単ではありません。
ただ、痛みやしびれ、コリ感や張り感が強くなってきているのは、やはり体からのシグナルです。
ストレスにまつわる睡眠負債が引き起こす様々な症状にも当院は積極的に取り組んでおりますので、何らかの体からのシグナルをキャッチした際には、早目のご来院をオススメいたします。