「鍼灸×ロルフィング®」WS開催しました
ワークショップの様子
先日行ったワークショップの様子をご紹介します。
WSの開始にあたり、参加者の方々(4名の参加者は全て鍼灸学生の方)の疑問や日頃の悩みを伺っていくと、学校の授業で経絡を十分に体感できないことや、卒業後の鍼灸師としての方向性や開業に関してなど、様々な悩みを聞くことができました。
皆の不安や不満、疑問を伺っていく内に、私自身も学生時代に抱かえていた疑問や不安が自然と思い起こされました。
伝統医学の習得において何よりも大切な事は、①自分の体で体感できているのかどうか、②行った施術を変化の実感として捉えることができるかどうか、の二つに集約されます。
まずはWSのイントロダクションとして、体の可動域が、離れた部位へのアプローチにより簡単に改善することを体感してもらいました。
授業で覚えさせられている経絡経穴に少しだけ鍼をすることにより、可動域や柔軟性が変わるのを目の当たりにし体感する経験を通して、授業でただ記号として覚えさせられている無味乾燥した漢字の羅列が、初めて意味を持つ身体のポイントとして存在し始めたようでした。
次に、治療を行う上での心構えや考え方、自己治癒力に関して、今後の臨床経験をどの様な考え方で積み重ねていくと効果的な施術が行えるのか、などの個人的な見解をお伝えさせていただきました。
特に、以前のブログでもご紹介した<効く施術、効かない施術の違いとは?>に基づいた、「どのような意識を持ってクライアントの方に関わっていくと効果的な施術を行うことができるのか」のお話が、とても腑に落ちる内容であるようでした。
最後に、それぞれが興味のある事柄を踏まえた施術の実際を、一人一人に行いました。
私のセッションの特徴である、鍼灸×ロルフィングの観点より、経絡と筋膜の連鎖を踏まえた多面的な身体のつながりを感じていただけたことと思います。
伝統医学を伝えるとは
日本においての伝統医学の継承は、徒弟制度の形式にて、「見て学べ、盗め」という師匠や先生の背中を見て、佇まいから学ぶことにより技術やエッセンスが伝承されてきました。
そんな中、私自身一度日本を離れ、日本式伝承スタイルとは異なる環境でロルフィング®を学んだことにより、日本の伝統医学伝承の長所短所も明確になりました。
日本の「見て学び、盗む」という臨床の場を共有する事なしに、伝統医学の本質を伝承することはできないと私も感じています。
ただ本質の理解の入り口を時代に即した学習方法に適応させたり、現代の概念に置き換えた説明を試みることの必要性も常々感じています。
先人から受け継いできたバトンを少しでも多くの後人にお伝えさせていただくことも、私の使命の一つだと思っております。
参加者のご感想
以下、いただいた感想です。
- 特に良かった点、印象に残った点があれば、ご記入下さい。
・経絡のつながりを筋膜という現代的な枠組みの中で捉え、かつそれを体感できた点。
・漠然としたものを理解できる言葉や理論に置き換えて説明して下さったことが、大きな感動となり理解につながりました。
・体の内側に目を向けるという発想がなかったので、新たな気付きとなりました。
・肩こりの根本的な解決方法を発見できて良かったです。
・時間をオーバーしても一人一人丁寧にポイントを教えてくれた。
・色々な例を出して話をしていただけて、つまらないと思っていた学校の授業にやっと興味が出てきました。
・意識が現実や未来を動かすということ。
- ここをもっと知りたいという点、今後実施して欲しいWSの内容など、お教え下さい。
・刺鍼の細かい手技について
・症例研究
・ロルフィングについて
・鍼灸を続けていくに当たってのこころえ。
・クライアントの方との距離感。
- ご意見・ご要望など、ご自由にご記入下さい。
・とてもとても有意義な時間でした。時間が経つにつれ、
場の空気がまとまっていくことを感じました。 皆との距離感が心地よいものになっていきました。
まとめとご案内
今回のWSは「感じ体感する経絡」ということで、主に私が施術し参加者の方々に変化を実感していただく形式にて行いました。
機会があれば次回は、参加者の方自身がクライアントの方々に変化を起こせる実感を掴んでいただく形式にて行いたいと考えております。
穴の見つけ方と取り方にさえ注意を払えば、変化は誰にでも出せるものです。
変化を出せることによる小さな成功体験が、経絡の存在の肯定につながり、その蓄積により変化を治療効果として定着させることができるようになります。
今回は予定時間を大幅にオーバーしてしまいましたが、参加者の方々には密度の濃い時間を過ごしていただけたかと思います。
参加された4名の方々、鍼灸×ロルフィング®WSへのご参加、誠にありがとうございました。
また、以前告知させていただいているように、今回のWSと同様の内容を、今週末の12月17日(日)13:00~17:00にて開催いたします。
まだ残席もありますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。
お待ちしております。