心身の不調や疲れの鍼灸治療:心身の再起動

 

acupuncture for fatigue

春は新生活がスタートしたり、何かと環境の変化の多い季節となります。

慣れないことだらけの環境に適応するまでは、強いストレスが心身に掛かってくるものです。

この時期に多い主訴の一つである、新しい環境の元での過緊張を感じられている患者様の症例をご紹介します。

疲労の蓄積による倦怠感にお悩みのAさん

《2ヶ月程前に転職されたAさん》

新しい職場は以前の職場より仕事のボリュームも多く、転職2週間後には早速大きなプロジェクトを任されることも決まり、連日朝から夜遅くまで、土日も仕事の準備に追われるようになりました。
転職後1ヶ月程経った頃、首・肩の凝りを強く感じるようになり、時折頭痛にも悩まされるようになりました。
大きなプロジェクトの要職を任されている責任感からか、いつも体が緊張しているように感じ、夢を見ては浅い眠りのまま起きる毎日を過ごしていました。
休みの日も仕事の準備に追われ、心身共に休まる暇がありません。

疲労の蓄積による倦怠感が甚だしくなったための来院でした。


治療は鍼灸治療を中心に行い、クラニオセイクラルの手技も用いて、自律神経系のリズムを整えます。

まずは3回の治療で心身の過緊張が緩和したことにより、凝り・頭痛は大きく軽減し、しっかりとした睡眠が取れるようになりました。

また、上手くストレスマネジメントができるになり心の余裕を持てるようになったということでした。

以降は3〜4週間に一度の定期的な来院に切り替えられました。

 

鍼灸は脳が持つ自然治癒力を取り戻す

心身共に緊張している患者様への施術では、どれだけ心身をOFFの状態へと導けるかがキーポイントとなります。

慢性的な過緊張状態をPCに例えてみます。

まさに色々なウィンドウが立ち上がり、一つ一つのウィンドウには複数のタブが開かれ、同時に様々なアプリケーションが動き、常駐ソフトもバックグラウンドで動いているといった状態です。

そして、いつもスリープ状態のまま1日を終了し、翌日もそのまま立ち上げるだけ。

このような状態が数週間〜数ヶ月ずっと続いているような状況になっています。

coping with stress acupuncture

実際の治療ではまず、立ち上がっているタブ・ウィンドウ・アプリケーション・ソフトを一旦閉じる必要があります。

そして、その後ゆっくりとPCを再起動していくかのような施術を行います。

治療の中で心身をOFFに導けると、脳自身が自らクリーンアップを再開し始めます。

蓄積された心身のストレスを取り除くためには、脳自身の自然治癒力を十分に引き出す必要があるのです。

まとめ

新しい環境への適応過程では、ONとOFFの切り替えがより難しくなります。

施術により心身の神経システムを再起動することは、脳が持つ自然治癒力を生かす効果的な手段となります。

疲労困憊して心が折れてしまう前に、心身の緊張、脳のノイズを早めに取り去ってしまいましょう。

不調を感じられた際には、早めの治療が功を奏します。