ロルフィングとNLP 【省略、歪曲、一般化】vol.3

rolfing and language

 

Vol.1で紹介した内的マップの変化、そして、Vol.2で紹介したサブ・モダリティー。

物事の捉え方を変えるために行うNLPと、身体の再学習の結果として物事の捉え方が変わるロルフィングを対比させてみてきました。

だいぶロルフィングとNLPの共通点がわかってきました。「姿勢の改善」や「身体の使い方の再学習」だけではないロルフィングの可能性を感じています。

服部
このシリーズの本質は、日本でもまだまだ知られていないロルフィングの真価を紹介することなんです☝

私自身、NLPやコーチングを以前から実践しているのですが、時々やや思考優位になりすぎるのではと感じることもありました。

服部
ロルフィングで身体を絡めたアプローチを行うと、時に思考優位になり過ぎるNLPやコーチングの偏りを補完できるのではと考えています。
それでは、今回も更に詳しくみていきましょう。

 

今回は、言語を使う人間の宿命とも言える、「省略、歪曲、一般化」の考え方とロルフィングの関わりをご紹介します。

 

NLPにおける省略、歪曲、一般化とは

私達が言語によるコミュニケーションを行う時、視覚によるイメージや聴覚による音のリズムや身体感覚などの情報も、言語としての記号に置き換える内的作業を行います。

その内的作業において、省略や歪曲や一般化のフィルターに掛けられ、言語が生成されることとなります。

 

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また、何らかの体験や経験をどのように意味付けるのかなども、同様の内的作業が行われています。

例えば、ある出来事を今後の教訓として捉える時を考えてみます。

  • あの体験があったからこそ、本質であるXを学ぶことができたんだ。
  • あの経験があったからこそ、今があるんだ。

体験や経験を、無意識の内に省略や歪曲や一般化のフィルターに掛け、言語を生成しているのです。

 

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私達は日常の中で、意識するしないにかかわらず、常に省略、歪曲、一般化を行っています。

であるが故に、事柄の誤った認知や出来事に対する不適切な思い込みなどが生まれるのです。

 

ロルフィングにおける省略、歪曲、一般化とは

私達は出来事を常に「どのように認識しているか」に配慮する必要があるのですね。では、ロルフィングではそれをどのように応用されているのか知りたいです。

服部
ロルフィングでは、「感覚の消失」「誤った認識」「不都合なイメージ」として捉えています。内的マップの変化として生じる、サブ・モダリティーの変化も見逃せません。

 

ロルフィングにおける省略、歪曲、一般化とはどういったものなのでしょうか?

  • 省略とは:
    長年の癖による、感覚の消失などを意味します。
  • 歪曲とは:
    誤った解剖学の認識などによる、思い込みなどを意味します。
  • 一般化とは:
    省略と歪曲が合わさることにより、不都合なボディ・イメージが形成されることを意味します。

 

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扁平足を例に上げて考えてみましょう。

  • 省略:長年の癖による足裏の筋感覚の消失
  • 歪曲:指の起始停止の誤認識
  • 一般化:不都合なボディ・イメージ(自分は扁平足なんだと思う)

このことにより、不適切な身体の使い方が更に助長され、「扁平足」だという認識、そして扁平足そのものが強調されていくことになるのです。

 

ロルフィングセッションでの具体的な事例

なるほど〜自分の認識がボディ・イメージの形成に深く関わっていたなんて思いもよりませんでした。

服部
ボディ・イメージは、回り回って、物事の捉え方にも深い関係があるんです。具体的な事例より、更に理解を深めていきましょう。

 

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足裏の感覚がなく、グラウンディングを確かなものにしたいと来院されたOさん。

物事の見方がブレがちなこともお悩みの一つでした。

彼とのセッションで着目したのは、足と背骨。

足裏が適切に使えていないことが心身のグラウンディングを妨げていました。

また、背骨の誤ったボディ・イメージが、軸のブレに繋がっていました。

以下のポイントに焦点を当てて、セッションを行いました。

  • 足底の筋感覚の活性化
  • 足の使い方の再学習
  • 脚と体幹部のつながりの強化
  • 背骨のイメージとセルフイメージの見つめ直し

足裏感覚の活性化により、グラウンディングのコツを掴まれたOさん。

誤ったボディ・イメージにも気づき修正することで、自分自信への思い込みを解放することができました。

 

まとめ

コミュニケーションとは、他者や自分自身との向き合い方です。

そして、言語によるコミュニケーションの過程では、必ず「省略、歪曲、一般化」が生じています。

そのため、このプロセスを経ることにより生まれる「誤認識や不適切な思い込み」に敏感になる必要があるのです。

ロルフィングにおいても然り。

一度不都合なボディ・イメージが形成されてしまうと、簡単には気づけなくなってしまいます。

セッションを通して行う様々なアプローチにより、少しづつ気づきを重ねる必要があるのです。

  • 事柄を別の視点から捉えるために、姿勢を変える
  • 物事の見方を変えるために、身体の使い方を変える。
  • 頭で考えても解決しない問題に対処するために、感覚を変える。

 

身体の学び直しを通したロルフィングセッションの効果性に気づかれたのではないでしょうか。

NLPを実践している方にこそ、身体からのアプローチであるロルフィングを体験していただきたいと思っています。