ロルフィングとNLP 【サブ・モダリティー】vol.2

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前回「ロルフィングとNLP 【内的マップ】vol.1」 では、ロルフィングとNLPの共通点と関連性に着目しました。

身体の学び直しを通して行うロルフィングセションの過程では、NLPにおける内的マップの変化も同時に生じていることをご紹介しました。

今回は、内的マップの構成要素であるサブ・モダリティーを詳しくみていきます。

五感とサブ・モダリティー

前回は、とても興味深い共通点と関連性を学ぶことができました!今回はより具体的な事例を知りたいと思っています。
服部
興味を持っていただけたようで何よりです。今回は、NLPでも基本的なワーク:サブ・モダリティーをご紹介し、具体例も交えてお伝えしていきます。

 

モダリティーとサブ・モダリティー

NLPでは、望ましい変化を引き出すために、内的マップの変化を導くべく様々なアプローチを行います。

その基本的なアプローチの一つにサブ・モダリティーを応用したものがあります。

 

  • モダリティーとは、五感の知覚情報に基づく内的マップ
  • サブ・モダリティーとは、モダリティーの詳細

 

人間が五感を通して現象を知覚認識する際の構成要素モダリティーと定義しています。

この構成要素(モダリティー)をNLPでは大きく3つに分け、VAKとしています。

  • 構成要素(モダリティー)
  • Visual:視覚情報
  • Auditory:聴覚情報
  • Kinesthetic:身体感覚(触覚、味覚、嗅覚を含む)
  • サブ・モダリティー

そして、構成要素(モダリティー)の詳細をサブ・モダリティーとして記述します。

  • 視覚のサブモダリティー…色、形、明るさ、彩度
  • 聴覚のサブモダリティー…音の大きさ、音程、音のスピード、リズム
  • 感覚のサブモダリティー…温度、感触、重さ、圧力

 

ロルフィングセッションでの応用

私自信はロルフィングセッションを行う際、NLPでの構成要素(モダリティー)を以下のように置き換えて考えています。

  • Visual:イメージ
  • Auditory:言葉
  • Kinesthetic:使っていなかった筋感覚、盲点となっていた骨感覚

 

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内的マップの変化とサブ・モダリティー

ロルフィングでも、VAKのサブ・モダリティーに対するアプローチを行っているんですね。
服部
「イメージ」「言葉」「筋感覚や骨感覚」と考えることで、ロルフィングセッションでも物事の捉え方に対してアプローチできるようになるんです。

 

今ある構成要素のサブ・モダリティーを変化させることで、物事の捉え方を変えることがNLPのワークの目的となります。

例えば、過去の記憶に付随しているサブ・モダリティーを変化させることで、過去の記憶に対する印象や反応が変化することにより、これから起こりうる現象への反応の仕方が変わるというわけです。

 

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NLPにおけるワーク全般に言えることなのですが、意図する意図しないに関わらず、効果的なワークには必ずサブ・モダリティーの変化が伴っていることが上げられます。

ロルフィングのセッションでも、身体の学び直しを通し内的マップの変化が伴うと前回ご紹介しました。

すなはち、内的マップの変化はサブ・モダリティーの変化も同時に生じることを意味しています。

このことより、身体を通したロルフィングセッションを行うことによっても、物事の捉え方が変わり、

様々な肯定的変化が生み出されることがお分かりいただけるのではないでしょうか。

 

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ロルフィングセッションでの具体的な事例

服部
上図の「気づき」そして「見出す」ことが、物事の捉え方を変えるためのフェーズとなります。
それでは、最後にロルフィングセッションでの具体例をご紹介します。

 

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姿勢の改善のために来院されたAさん。

物事を悲観的に捉えがちな事ことも、お悩みの一つでした。

彼女とのセッションで、特に着目したのは胸郭部分。

肩が巻き込み、視線が下がることにより、ついつい物事をネガティブに捉えてしまいます。

以下のポイントに焦点を当て、セッションを行いました。

  • 固まった胸郭を開くための手技によるアプローチ
  • 呼吸のしかたの再学習
  • 頭周辺の空間認識の活性化

セッションを進めていくにつれ、当初お悩みだった姿勢も改善し、物事の捉え方も肯定的になりました。

 

まとめ

  • 身体の学び直しを行うことにより、日常生活の中で新たな視点に気づく。
  • これまで自分が使っていなかった筋感覚や盲点になっていた骨感覚などの再学習を行うことにより、新たな意味が見い出される。

ロルフィングセッションでは、これら自分自身の見つめ直しの結果として、内的マップサブ・モダリティーが変化します。

特に、ロルフィングの強みであるKinesthetic:身体へのアプローチを行うことで盲点となっていた感覚の活性化が起こると、思いもよらない気づきが導かれるのです。

クライアントそれぞれの「望ましい変化を最大限に引き出すため」には、人間を本質的により深く理解する必要があります。

人間の本質的な理解とは、「 心と身体は一つの有機的なシステムである。」という基本前提をより深く学び体感することだと言えるでしょう。

次回も、NLPの観点より、身→心への有機的なつながりを詳しくご紹介します。