Sさんとのロルフィングセッション:まとめ

 

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「体の断捨離をしたい」そして、「自分自身の現在地を明確にするため」という テーマと向き合ったSさんとのロルフィングセッション。

10セッションを通してのキーワード、それは「 盲点への気づき」を促すことでもありました。

姿勢の悪さが昔から気になっています。

鍼灸治療を行っていた時から伺っていたお悩みでした。

姿勢とはたくさんの因子によって形成される、 生活習慣症状とも言えます。

10年、20年、30年、、、、と蓄積された感覚に基づき、 これが自分の真っすぐであるという認識自体が既にあまり当てにな らないものとなって身体に深く根付いています。

その癖づいた姿勢を改善しようと、例えば遮二無二バレリーナのような姿勢を保ち続けるのは、 自分の体にとって心地の良いものではないため定着することにはなりません。

ロルフィングにおいての姿勢の改善は、 筋膜や関節の捻れを取る構造的なアプローチを行い、 癖づいた身体の使い方や感覚を再学習するというプロセスに基づい て行います。

Sさんの場合は、胸郭部の構造に不必要な緊張があったことと、 足裏から下肢にかけての感覚の偏りが姿勢形成に関わる重要な箇所 となっていました。

自分にとってのニュートラルとは一体何?

セッション開始にあたり、話していただいた内容でした。

筋膜の歪みを調整すること、盲点となっている感覚への気づきと再学習を行う過程において見出されることになったボディイメージ。

Sさんにとってはボディイメージへの気づきこそが、自身の現在地を明確にすることのようでした。

身体というのはこれまでの人生の縮図であると考えています。
ボディイメージを通して歩んできた道を明確にすることは、自分にとってのニュートラルを見つけるためのとても重要なステップであると考えています。

ここで、肩の脱力を例に上げてみます。

実際の問題は肩にはなく、肩の緊張は他の部位の結果として生じているに過ぎません。
ただ、自分自身では肩に力が入っていることが問題の原因であるというボディイメージを持っているため、肩にフォーカスせざるを得ない状態となっているのです。

ボディイメージの焦点を変えること、すなわち背中の適切な使い方を学ぶことや頭や頚の後ろのスペースを正しく認識することにより、努力することなく自然と力を抜ける感覚を得られる場合が多々あります。

この自然と力が抜ける感覚というのが、その方にとってのニュートラルであり、新たなボディイメージの獲得を通して今の自分自身が明確になることにつながるのです。

身体の観察のしかたが分かりました。

Sさんが最後のセッションを迎えるに当たって、 フィードバックいただいた内容です。

ロルフィングのセッションにおいては、 口腔や骨盤底などなかなか手技にてアプローチされない部分へも注 意深くワークを行います。

そして、同時に身体内部感覚や外側のスペース感覚など、 普段はあまり意識しないような部分への注意を向けることも行いま す。

手技による筋膜へのアプローチによる深部感覚への刺激が、 これまでボンヤリとしていた骨の構造や筋肉の走行などの詳細を明 確にします。

身体の使い方を学び、 これまでは意識できなかった体の細部を動きの中に活かせることにより、感覚の盲点の再学習が進みます。

このことにより身体を多面的多角的に観察できるようになるのです 。

Sさんからの感想

Q1. ロルフィングを受けるに当たっての目的は何でしたか?

実は私には、はっきりコレといった目的がありませんでした。 きっかけは、ロルフィングがフォーカルジストニアに有効である。 という事だったのですが、正直治療に嫌気がさしていて、 自分の中でそれを目的とはしたくなかったのです。 先生には体の断捨離をテーマにします!とお伝えしました。

Q2. セッションを進めていく中での印象的な変化や気づきはありました か?

大きな変化や気付きがいくつかありましたが、 セッション1が終わった後、 肩の力が完全に抜けて呼吸がすごく楽になっている事に気が付いた 瞬間は 「うわぁ〜」と言葉にならない程の衝撃と感動でした。 “ダラっとする”と”脱力する”が違うという事に気付いたのと同 時に 自分がものすごく思い込みに囚われているという事にも気付きまし た。4回目や後半のセッションでも自分にとってとても重要な気付 きがありましたが、 やはり初めてのセッションのインパクトは強かったです。

Q3. 10セッションはどのような体験でしたか?

自分のカラダやココロの状態に気付くプロセスを体験しました。 10セッションが終わり、 ようやく自分の現在地が分かった気がします。

Q4. ロルフィングを知らない人にロルフィングを説明するとしたら、 どのように表現しますか?「あなたにとってのロルフィング」 とは?

私にとってのロルフィングは、「 体の断捨離を可能にしてくれるもの」です。 習慣化されてしまった悪いクセなど、不必要なものは捨て、 必要なものはあるべき場所に戻す。1人だとなかなかできないけれ ど先生が手伝ってくれるので安心です。 ロルフィングの面白いところは、 自分は何もせず先生がしてくれる。ではなくて、 自分も先生と一緒にするという事です。 そうすると、身につくので、また不要なものをため込む。 といった事がなくなります。 不要なものがなくなると体が本当に楽になり、 動きやすくなったり疲れにくくなります。 それと気持ちもスッキリします! んー難しいですね…ロルフィングは本当に不思議なので、 なかなか上手く人に伝える事ができません。笑

Q5. ロルファー服部への感想、御意見などあればお聞かせください。

服部先生は、空気感や距離感を作るのが本当に上手な先生です。 それ故に、先生のロルフィングは、 とってもバラエティーに富んでいます。 静かでとても繊細なセッションもあれば、 アクティブでトレーニングのようなセッション、 ゆったりしていて気持ちよくまどろんでしまうようなセッションや 、笑っちゃうようなユニークなセッションまで。 毎回、その日の私の体調や気持ちを感じ取って、 セッションを組み立てて下さっていた様に思います。 おかげで、全てのセッションが本当に心地よく面白かったです。 先生!ありがとうございました。 服部先生とロルフィングに出会えて とても幸せです!

Sさん、丁寧な感想誠にありがとございました。